いってらっしゃい (風吹)
2010/06/09 21:42
「…ごめんね、」
大きな柱で皆の視界から外れ、涙目になって謝る吹雪を風丸が優しく抱きしめる。
「吹雪が悪いんじゃない」
そのまま頭を撫でると、吹雪の目から涙が溢れ出した。
「…もう風丸くんと離れるのはいやだよ」
涙が溢れる目尻に口付け、風丸は笑う。
「大丈夫、ずっと待ってるから」
「…うんっ」
吹雪も涙を流しながら笑った。
その吹雪の笑顔を見てから風丸はしゃがみ込み、包帯が巻かれた膝にキスをする。
「風丸くん…!」
「吹雪の怪我が早く治るように」
「…ありがとう」
「先に行って待ってるよ」
「うん、僕もすぐに行くから」
ああ、と頷き、また抱きしめる。
怪我が1日でも早く治るようにと願いながら
prev | next