私がやる必要あります? | ナノ




‖02

「まったく、緊急だからって私が行くわけないじゃないのこんな時間に。ねぇ阿近?」

仕事中の技局内で先程まで隊首室に居た彼方は近くに居る阿近に話しかける。

「いや普通なら出るんですけどね」

「だってまだお昼とか太陽ギラギラじゃない痛くてたまらないわ」

彼方は日光が苦手で強い陽射しを浴びると肌が痛くなる体質なのだ。
故に日中は極力隊室から出ない。

「瀞霊廷の上空に屋根でも造れないかしら…」

「やめてください」

「玲紋隊長」

阿近と彼方の会話に入ってきたのは今一番隊から帰ってきた涅ネムだ。

「あらお帰りなさいネム。ありがとう」

「いえ。隊首会は旅禍についてでした」

「旅禍?また物騒ねぇ」

正直お茶を飲みながら言われてもその思いはあまり感じられない。
実際それほど危惧してもいないのだろう。

「まぁ私が出なくても他の隊長さんか、マユリ副隊長が行きますでしょう」

そう言い立ち上がると出口の方に歩き出した。

「どちらに?」

「少し地下に篭もります。何かあったら来てくださいな」

片手を上げピンクの長羽織を翻しながら技局から出て行った。
それを見ながら阿近は小さく溜息をつく。

「あの人は何時になったら隊長羽織を着てくれるんだろうか…」

「自由な方ですので」

それは毎日着ることはないと言っている様なものだった。


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