▼ 十四松
仲良く2人でパフェを食べている。
「あんまー!」
バクバクと勢いよく食べる十四松を優しい目で見つめながら、本日のメインディッシュのプレゼント…野球ボールを手渡す。
よく無くしたり、破壊したりする十四松なので、いくつあっても困らないだろうと思いつき、買ったボールに十四松の名前を黒マジックで書いたものである。
「うぉおおお!
家宝にすっぺー!!」
「いや、家宝にする前に使ってあげてね?」
口にクリームを付けたままボールを握りしめて嬉しそうに笑う十四松に、苦笑しながらティッシュで口元を拭ってあげる。
一瞬キョトンとした十四松は、突然私に抱きついてきて、不覚にも一緒に床を転がる。
私が驚きで動けないのを良いことに、そのまま本当に床をゴロゴロ転がりながら私に頬ずりしてくる。
「ちょっと、離れてくれないかな?」
「やだ!」
ギュッとくっついて来る十四松を全力で押して抵抗してみても、効果がない…。
おいおい、マジかよ…。
思わず十四松の顔を見つめると…私の野生のカン的な何かがヤバイと警報を鳴らしている。
…ぶっちゃけ、今まで見たことのないヤバイ顔をしている。
「なにその顔」
「アオイちゃん、いい匂いー!」
思わず顔を押すけど効果がなく、逆に押し返されて身動き出来なくなってしまった。
どうしよう!?と頭がグルグルした瞬間、ぺろり。唇を舐められて…私の視界はフェードアウトした。
ちゃんとお祝いしたかったのに…。
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