あおいそら

十四松

 仲良く2人でパフェを食べている。

「あんまー!」

 バクバクと勢いよく食べる十四松を優しい目で見つめながら、本日のメインディッシュのプレゼント…野球ボールを手渡す。
 よく無くしたり、破壊したりする十四松なので、いくつあっても困らないだろうと思いつき、買ったボールに十四松の名前を黒マジックで書いたものである。

「うぉおおお!
 家宝にすっぺー!!」

「いや、家宝にする前に使ってあげてね?」

 口にクリームを付けたままボールを握りしめて嬉しそうに笑う十四松に、苦笑しながらティッシュで口元を拭ってあげる。
 一瞬キョトンとした十四松は、突然私に抱きついてきて、不覚にも一緒に床を転がる。
私が驚きで動けないのを良いことに、そのまま本当に床をゴロゴロ転がりながら私に頬ずりしてくる。

「ちょっと、離れてくれないかな?」

「やだ!」

 ギュッとくっついて来る十四松を全力で押して抵抗してみても、効果がない…。
おいおい、マジかよ…。
 思わず十四松の顔を見つめると…私の野生のカン的な何かがヤバイと警報を鳴らしている。
 …ぶっちゃけ、今まで見たことのないヤバイ顔をしている。

「なにその顔」

「アオイちゃん、いい匂いー!」

 思わず顔を押すけど効果がなく、逆に押し返されて身動き出来なくなってしまった。
どうしよう!?と頭がグルグルした瞬間、ぺろり。唇を舐められて…私の視界はフェードアウトした。
 ちゃんとお祝いしたかったのに…。

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