あおいそら

トド松

「誕生日おめでとう!」

「アオイちゃん…ありがとう!」

 にこりと笑いあいながら、誕生日プレゼントを渡す。
 中身は、シンプルで使いやすいかな?と思って買ったストールで、隅っこにコッソリとピンクの松模様を刺繍したモノ。
 少し照れながらプレゼントを開けるトド松に、コッチも何故か照れながら見守る。

「わぁ…嬉しいな!」

 早速ストールを身につけたトド松はとても嬉しそうで、コッチも嬉しくなる。
 思わず笑っていると、スマホを持ったトド松が私を抱き寄せてパシャリ。

「ふふ、SNSに載せちゃおっと♪」

 鼻歌でも歌いだしそうなくらいゴキゲンなトド松は、私にくっ付いたままポチポチッと写真をSNSに載せている。
 近すぎじゃないかな?と講義しようとトド松を見上げると、トド松は少し首をかしげて何を思ったのか…チュッとリップ音をたてて、ほっぺたにキスをしてきた。
 一気に体温が上がったのを確認しながら、ほっぺたに手を当てて恥ずかしさで俯くと…頭を撫でられた。

「唇は、今度ね?」

 …誰もそんな事いってないから!
 今度は唇に手を当てて、全力でトド松から離れた。

「そんな顔しないでよー」

 ほっぺたツンツンしてくるトド松を押しのけて、誕生日って何だっけ?と現実逃避した。
とりあえず、つつくのヤメテ。

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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -