▼ 一松
クリスマスの軽快な音楽が流れ、店内にはツリーやリースが飾られている。
極めつきは、にゃんこのサンタやトナカイの姿…である。
「ぎゃー、可愛い!!」
「あぁ、可愛すぎる…」
一松と私の二人は興奮しながら案内された席に着きながら、にゃんこをガン見する。
窓際のにゃんこが、暖かそうな日溜まりでうつろうつろしているが…頭の帽子がずれて顔にガッツリかかってるのに全然気にしていない様子。でも、そのどうでも良い感が可愛い…!
「ココは天国か…」
「そうだね…って、何その状態!?」
惚けたように呟いた一松の声に相づちをうちながら一松を見ると…ネコで埋もれていた。
膝の上にも猫、肩の上にも猫、頭の上にも猫…猫ねこネコ猫ねーこねこ。
唯一出ている一松の顔はだらしない感じになっている。
「う、羨まし…くもないか」
猫だるま状態の一松を写真に収めながら一松を見つめる。
正直ネコだらけで重そう…。
「あ、すみません店員さん…にゃんパンケーキお願いしまーす」
ネコを取り上げるのも可愛そうなので、一松は放っておくことにして…しれっと近くを通りかかった店員さんに追加注文をしてから、残りわずかなジュースを飲み干した。
予想外のネコだるま事件はあったけど、一松と猫カフェデートinクリスマスは大成功したっぽいので良しとしようかな。
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