あおいそら

カラ松

「あっ、カラ松。
 どうしたの急に…」

 2月14日、カラ松が私の家に来た。
 来た理由は確実にチョコだと分かりきっているが、あえてシラを切りながら家に上げる。
 別になんでもない。と言いながらもソワソワしながら部屋に入っていくカラ松の後ろ姿をニヤニヤと見送った。
 事前にこうなるだろうと予測して作っておいた、トリュフチョコを紙コップに入れて、可愛らしくラッピングした物を冷蔵庫から取り出してコッソリ持っていくと、何故か正座で待機しているカラ松にウッカリ笑ってしまった。

「はい、カラ松。
 手作りチョコだよー」

「く、くれるのか!?」

 大きく目を見開きながら涙目で私をジッと見つめてくるカラ松に、要らないなら私が食べるけど?と意地悪を言うと、食べる!と食い気味の返事が返ってきた。
 勢いの割には丁寧な手付きでラッピングのマスキングテープをゆっくり剥がしていくカラ松を眺めながら、カラ松の正面に座った。
 案外几帳面だよね、カラ松…。

「どう、美味しい?」

「うまい…!」

「ありがと!
 あ、ホワイトデー楽しみにしてるからね、カラ松♪」

 ふふふ、と美味しそうにモグモグ食べているカラ松に含み笑いを浮かべると、急に顔色を悪くしてブルブル震えだした。
 …いやー、来月が楽しみだね!


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