あおいそら

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まだ続く

 無事?食事も終え、何故か疲れた状態で会場を出た。…原因はザンザスの餌付けと、レヴィから漂ってくる殺気と…それから完璧に傍観に徹しているその他のメンツのせいだと分かっているけど。
 エレベーターにのって部屋のある階でおりると、ため息が出た。

「今日はさっさと寝よう…」

「駄目よ!
 今から二次会するんだから!」

 自分の部屋に直行しようとすると、ルッスーリアに腕を掴まれ止められた。…二次会ってどこですんの?と聞くと、このフロアの宴会場よ!と小指を立てたルッスーリアは言う。
 この階をまるっと貸し切っているのは知っていたけど、そんな物まであったのか…。なんて感心していると、ベルが私の腕を組んで楽しそうに私を引きずって歩き始めた。
 渋々ベルと歩き始めると…ベルの反対側にザンザスが来て私の腕をとった。…左に約170のベル、右は約190のザンザス。私は二人より低いので、物凄く圧迫感。
 ちなみに私の真後ろにスクアーロが立っていて、引率するように前に立っているのはルッスーリアで…レヴィは会場の準備をする!と言って消えた。…唯一私より小さいマーモンは、ルッスーリアの隣を浮遊しながら移動している。

「さぁ、ついたわよ!」

 男共に囲まれた状態で辿り着いたのは、バーカウンターとカラオケ機器のある思ったより狭い部屋で…レヴィが素早くザンザスにウィスキーを渡している。
 私は囲まれた状態から解放されるべく、ベルとザンザスの手から逃れてL字の黒い革張りソファーに飛び込むように座ると、ゆっくりとした動作でウィスキーを呑みながら隣にザンザスが座った。

「クコちゃん、何か飲む?」

「…カルーア」

 ベルちゃんは何にする?と色んな人に聞いてまわっているルッスーリアに返事して、目の前のテーブルに置かれているデンモクをいじる。…うわ、前使った人演歌歌ってる…。
 デンモクに夢中になっていると、いつの間にか隣に座っていたスクアーロがデンモク画面を覗き込んできた。

「何か歌うのかァ?」

「いや、歌わないけど」

 スクアーロに返事していると、隣に座っているザンザスがデンモクをタップして何かを送信した。
 驚いて画面を確認すると、とても有名なアイドルが歌っている曲名が。…え、ザンザスこれ歌ってくれるの?
 思わずザンザスの顔を見つめると…ニヤリと笑ってマイクを渡された。
 そして、それを見ていたスクアーロもニヤリと笑って私を無理矢理小さなステージに立たされる。

「ししっ、クコが歌うのかよ」

「クコちゃん、がんばって!」

 ベルとルッスーリアの声を聞きながら、呆然とステージに立っていると…曲が流れはじめたので、仕方ないと腹をくくった。

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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -