あおいそら

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ビュッフェ

 私達は統一感と威圧感を放ちながら、ディナー会場にやって来たわけですが。…厳ついおじさま達に遠巻きにされて、目立っている。
 まぁ、今まで出席してきたパーティでもヴァリアーってことで目立ってたし、今更感はあるけど。

 溜め息を付きながら、ビュッフェスタイルなので好きなものを皿に乗せていく。…料理は和洋中と色々取りそろえていたけど、和食というか寿司が多く感じた。
 気になったものを片っ端から乗っけた皿を左右の手に持ってテーブルに戻ると、甲斐甲斐しくレヴィがザンザスに肉を献上していた。…そしてそれを食べないザンザス。

「クコ、何とかしろ」

 うわぁ。と思って少し離れて見ていると、私に気がついたスクアーロが私から皿を取り上げて、ザンザスの方に押しやった。…皿返せ!と手を伸ばすと、スクアーロはテーブルに置いてくれたが、レヴィがザンザスに献上している皿のすぐ隣に置きやがった。
 イラッ。としつつ、ザンザスの隣の椅子に座る。

「…いただきまーす!」

 ザンザスを気にせず、食べることに集中しよう!と気持ちを切り替え、箸で寿司を持ち上げて口に入れようとした…が、ザンザスに手首を掴まれて寿司はザンザスの口の中に消えていった。

「ちょっと、ザンザス…わざわざ私の食べないでレヴィの食べてあげなよ」

 物凄く睨んでくるレヴィへと視線をやりつつ、そう進言するも…鼻で笑った後、断る。と断言されてしまった。…レヴィがビックリするほど悲しそうな顔で膝から崩れ去った。
 それを一瞥して、まぁ減った分は後でビュッフェから補充すればいいか。と自分を納得させて、もう一つ取っておいた寿司を箸で掴みあげ…たけどザンザスにまた食われた。
 …いっそこっちから口に突っ込んでやろうか。と思いついて、今度はローストビーフを摘まむ。

「…あーん?」

「ん」

 口元まで持って行って声をかけると素直に口を開けて、早く食わせろという目で見てきたので、ご要望通りに口に入れてやる。
 謎の達成感を味わいながら辺りを見渡すと…スクアーロやベル、マーモンまでもが私とザンザスを見ていることに気がついた。

「あら、私達を気にせず続けて頂戴?」

 おほほ!と笑うルッスーリアのその一言で、スクアーロ達は示し合わせたように私から目をそらして続きを食べ始めた。…そんなつもりは一切なかったけど、私はザンザスにバカップルみたいな事をしていたかもしれない。
 今更ながら、ちょっと恥ずかしいかもしれない。思わず赤くなる顔に両手を当てていると…ザンザスが、早くしろ。と次を催促してきた。

「はい、次」

 デカい肉をザンザスの口に突っ込み、ザンザスが食べている間に自分も食べるという作業。…なんだこれ面倒臭い。

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