あおいそら

日曜の予定

「あ、シキちゃん日曜って暇かな?」

 帰り道で突然トド松からのお誘いに、ついに遊びに誘われちゃったか…。と思いながら、いいよ。と返事を返すと、じゃあ1時に駅前集合ね!と笑顔でお別れした。それが数日前で、いつの間にか当日を迎えた。
 何を着ていくか迷いに迷った結果、無難にちょっと可愛いワンピースを着て待ち合わせ場所に5分前に到着した。

「あ、シキちゃん!」

「トド松君、もう来てたんだ。
 私も、もっと早く来ればよかった」

 先に待っていたトド松が手を振っているので、あわてて駆け寄って声をかけると、今来たところだから気にしないで!と言われてしまったけど、本当かなぁ…。と思いながら、トド松の隣を歩く。
 一緒にショッピングしたいらしく、近くのショッピングモールへお喋りしながら向かっている。

「何買うの?」

「うーん、これといって決めてないんだよね。
 てか、シキちゃんと一緒に遊びたかっただけなんだよねー」

 しれっと本音を吐いたトド松に、なんで私こんなに構われてるんだろう。と首をかしげる。
 トト子ちゃんみたいに学年のアイドル!っていうわけでもないし、むしろ孤立している方だとおもうし…トド松の考えが全く分からない。
 というか、六つ子全員に絡まれるのだけは避けたい。トド松と仲が良いっていうかけで話題になってる気がするのに…。
 そうこう考えているうちに目的のショッピングモールに辿りついた。

「シキちゃんって、どういう系統の服着るの?」

「…系統?特にないかな」

「そうなんだ。
 あ、これとか似合うんじゃないかな?」

 トド松はナチュラルに服屋さんに入って行って、どこからか取ってきた服を私にあてがったと思うと、こっちも似合いそう!なんて言って、別の服も私にあてがう。
 彼が持ってきた服は、シンプルでどんな服にも合いそうな物と、とても可愛らしいデザインのワンピースだった。
 そっと値札を見ると、どうやらこの店はリーズナブルな値段のようで、買えない値段ではなかったが…平日は学校で、休日はほとんど家から出ない私が買う意味あるのか。と思うと悩む値段だった。

「あ、こっちのスカートとか可愛いよ!」

 いつの間にかさっきまで持っていた服を仕舞って、スカートのコーナーで私を呼んでいるトド松に苦笑しながら近寄る。
 私以上に女子で、買い物を楽しんでいるなぁ…。と思いながら今度は何をチョイスしたのか見て見ると、トト子ちゃんが好きそうなミニスカを指さしていた。

「可愛いけど、流石にはかないかな!」

「えー、絶対似合うと思うんだけど。
 あ、じゃあコッチとか?」

 次々に色んなスカートを私に渡してくるトド松に、ちょっと待って!と止めると、きょとんとした表情で見つめられた。

「なんでスカートばっかり?
 てか、全部短いし!」

「え、ミニスカはいたシキちゃんを見たいだけだけど?」

「直球だな!」

 あまりにもストレートな発言に呆れを通り越して笑いが込み上げてきて、仕方ないから今度はいてきてあげる。と笑いながら言うと、トド松がビックリするぐらい喜んだので、しまった安請け合いしすぎたか…。と後悔した。

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