▼ おきる
朝、謎の圧迫感で意識が浮上した。
えっ…何事!?と慌てて目を開けると、目の前に一松の顔が。
…え、なんか抱きしめられてる?
思わず悲鳴を上げそうになったけど、なんとか我慢しながら…何となく一松の顔を観察する。
思ったより長い睫毛に、少しボサボサの髪の間から普段見えない短めの眉毛がチラリと見えている。
なんだか顔が赤くなってきた頃、パチリと目が開いて…しばらく見つめあったと思うと、悲鳴を上げながら一松が私から離れた。
「ごごご、ごめん!」
「え、あ…うん」
想像以上の慌てぶりに驚きながら、赤い顔を手で隠していると…視界の端で一松の兄弟がニヤニヤと私達を見ているのが見えた。
どうやら一松は気がついてない様子で、オロオロと私を見ているので…一松の兄弟を無言で指さす。
一松が勢いよく振り返ると、兄弟は白々しい顔で見ていませんアピールをしている。
それが癪に障ったようで、私は後ろ姿しか見えないけど…物凄い勢いで兄弟を粛清という名の殴り合いが始まった。
…どうでもいいけど、私着替えたいです。
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