あおいそら

しんしつ

 別室で渡された服に着替えると、2階の寝室?に案内された。
 部屋には1枚の大きな敷布団に掛け布団…おそろいの枕が6つと別デザインの枕が1つ左端で異彩を放っていた。

「…さ、シキちゃんも来たし、寝ようぜ!」

 もはや何松か全くわからない誰かの一声に、ゴソゴソと指定位置があるのか迷うことなく布団に入っていく。
 …私はあの左端の枕の場所なのかな?とオロオロしていると、少し気だるげにペラリと布団をめくって待ってくれている誰か。

「早く入ってくれないと電気、消せないんだけど」

 ペチペチと敷布団を叩きながら私を呼んでいるのは、一松だと確信した。
 恥ずかしいけど、さっさとしないと一松の兄弟に迷惑かかるし…女は度胸!と覚悟を決めて、恐る恐る寝転ぶと一松が布団をかけてくれた。
 …なんか、一松が近い。

「消すよー」

 そう誰かの声と共に電気が消されて、暗くなる。
 とりあえず目を閉じて寝ようと試みるけど、隣が気になって…なかなか寝付けない。
 どうしよう。と思って寝返りをうって、一松に背を向ける形に転がる。
 一松はもう寝たのかな?と背後を気にしていると、ゴロリと一松が寝返りをして…私に抱きついてきた。

「…ヒッ」

 思わず口に両手を当てて声が出るのを我慢した。
 私にピッタリくっついている一松のぬくもりが背中から伝わってきて、コレが現実だ!と突きつけてくる。
 ヘタに動いたら起こしてしまいそうで、動けずにいると…今度は私にすり寄ってくる始末で、頭が真っ白になった。

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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -