▼ ひとこえ
「服は洗っておいたけど…今日中には乾かないと思うわ。
折角だから泊まっていってちょうだい」
手を拭いていると、笑顔で松野ママがそう言うと同時に6人が騒ぎ始めて一気に煩くなった。
何を言っているのか全然聞き取れないけど、一松がキレてるのがなんとなく分かった。
男兄弟ってこんな感じなんだ。と関心しながら安全な場所で眺めていると、隣に立っていた松野ママがプルプルしはじめたと思った瞬間に怒鳴った。
「いい加減にしなさい、ニート達!
シキちゃんの前でみっともない!!」
「…はい」
つるの一声とはこの事か。と素早い動作で松野ママの前に1列に正座した六つ子に感心した。
だけど、正座したままブツブツとそれぞれが言い訳をしはじめて…また怒られて、おとなしくシキちゃんと遊んでなさい!という松野ママによって喧嘩は鎮火した。
「…なにするの?野球!?」
さっきの雰囲気をぶち壊すテンションで、黄色い松野くんが立ち上がってピョンピョン跳ねながら挙手した。
えっと、この松野くんは…十四松くんかな?と目星をつけていると、流石に野球はないだろ。と冷静な声になだめられてた。
その声の主は、緑の松野くんで…と一松に教えて貰った特徴とかを思い出していると、ピンクの松野くんが私の思考を遮るように喋りだした。
「チョロ松兄さん、それ真面目アピール?」
「…はぁ?」
ピンクの松野くんが緑の松野くん…チョロ松くん、に冷たい一言を放つとイラッとしたような声を返した。
そういうトド松だって…!とチョロ松くんが話しはじめると、手首を誰かに掴まれた。
…誰かと思ったら一松でビックリした。
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