▼ おでん
一松についていくこと数分…川のすぐそばのオデンの屋台に到着した。
まさかのオデン屋さんに驚きながら、慣れた様子で暖簾をくぐっている一松に慌てて続いた。
「一松、おめぇ今日はひとr…って女の子と一緒だと!?
まさかその女の子は…彼女!?」
「…い、いや…その…」
「いやー、まさか一松が一番に彼女つくるとはなー!」
思わず顔を赤くしながら店主を見ると…真っ赤ないかにも辛そうな缶の中身を山盛りにかけたオデンをニコニコと一松に、お祝いだバーロー!と言いながら差し出している。
殺意しか感じない。
「いや、これ…殺意しか感じないんだけど!」
「…リア充爆発しろ、コンチキショー!」
はじめてみた一松の焦る表情に驚きながら、目の前に置かれたフツーのオデンに手をつける。
…美味しい!
「美味しいです!」
「そうかそうか。
たくさん食べてけよ!」
「はい!」
さっきの恐ろしい表情とはうって変わって、店主はニコニコとオデンをよそってくれた。
うん、いくらでも食べれちゃう!
「一松、連れてきてくれてありがとう!」
「…べつに、俺が来たかっただけだし」
照れてそっぽを向いた一松を見つめながら、コンニャクを頬張った。
…なんだか、一松可愛い。
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