▼ いちごみるくだいふく
結局、安いし1つくらいはいいか…。と一松のいちごみるく大福も買ってあげた。
…私ってば、超絶優しい!とか思いながら手渡すと、一松はボソボソとお礼を言いながら受け取った。
一応お礼とか言えるのね、関心関心。
とか思ってる間に気がつけば家、そして一松。
…えっ、家まで付いてきちゃうの?
「…お邪魔しまーす」
「いや、おかしいでしょ!
ってか、勝手に入るなよ!」
一松がついてきているコトに気がついたのは、既に玄関を開けてしまっていて、ナチュラルにサンダルを脱いで家主より先に部屋に入られた。
腕を引いて必死に止めるも無駄に終わり、お茶出ないの?と催促しながらにゃんこクッションを勝手に抱え込んで寛いでいる。
…なんてヤツだ!
一松を帰すのを諦めて、私も寛ぐことにしよう。
要求をガン無視して、さっき悩みに悩んで買ったイチゴのショートケーキ頬張る。
夜のスイーツは格別ですな!と堪能していると、一松もモシャモシャといちごみるく大福を頬張ってた。
あっ、粉がほっぺに付いちゃってるよ…と思わずティッシュで拭ってあげた瞬間、一松と目が合って、その距離の近さに驚いて固まる。
…私、何しちゃってるの?
ボッと顔が赤くなったのが分かったけど、どう対処していいのか分からず動けない…!
オロオロと視線をさ迷わせていると…あれ、一松も顔が赤い?
「帰る!」
急に立ち上がり、家から出ていった一松を呆然と見送ることしか出来なかった。
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