▼ みつける
今日は流石に会わないだろう…そう思いながら道を歩いていると、目の前からクソ松…訂正。一松が歩いてきた。
一瞬、別の六つ子かと思ったが…あの猫背で紫はアイツに違いない!と確信する。
「…一松でしょ。
こんな所でなにしてんの?」
声をかけられる前にかけてしまえ!と声をかけてみると、一瞬驚いた顔をした一松はその表情を面倒臭そうな顔にかえて、別に…。と呟いた。
もっとハッキリ喋ってくれないと聞き逃しそうなんだけど!と、何故かイラッとした。
「そうよね、アンタ…ニートだもんね?
どうせ暇なんだから、晩御飯につきあいなさい」
自分で一瞬何言ってるんだ…ってなったが、1人でご飯食べるよりマシかな!と思いなおして、ポカンとする一松の腕を引いて近くのファミレスに入る。
「千円以内なら奢ってあげるから、なにか食べれば?」
無理やり座らせて、若干キツい言い方になったかもしれないと反省しつつ、どれにする?とメニューを開いて見せる。
そこでやっと顔を見ると、酷く驚いて、どうすればいいのか分からない…。という表情だった。
あっ、コイツはそこまで意地汚くないのか…。
というか、どうせ金ないんだから人の好意に甘えろよ。
「決まらないなら、私と同じのに勝手にするよ?」
「もう、それでいい…」
そう言って頷いたのを確認して素早くボタンを押した。
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