あおいそら

なんだそれ

「あれ、シキちゃんじゃん!
 …って、無視は良くないよー」

 知らない人というか、どれかの松野君に笑顔で肩を掴まれた。
 なんでこうも最近、松野君とのエンカウント率高いんだろうか…。
 呪い?呪いなの??

「あ」

「"あ"って何?
 "あ"って言ったら許されると思ったの??」

 煩いなー。と、指で耳を塞ぎながら半眼になりながら松野君を見ると、松野君も半眼で手を腰に当てて面倒臭そうな顔をしている。
 そんな表情するくらいなら、ほっといて欲しい切実に。

「用がないなら行ってもいい?」

 思わず舌打ちしそうになりながらも我慢してそう告げると、あっ待って!と私の腕を掴みながら器用にスマホを出してきた。

「L〇NE交換しよ!
 んで、今度あそぼうぜ!」

「え、却下」

 全力で腕を振りほどきながら告げると、松野君は粘り強く…いや、しつこくまとわりついてきて…結局交換せざるを得ない事になってしまった。

「俺、カリスマレジェンドおそ松な!
 どうせ、シキちゃんは誰だかわかってないだろうけど…俺は長男のおそ松!」

 鼻の下あたりを指で擦りながら、大事でもない事を2度ほど言うと、笑いながらスマホをブンブン振りながら走り去っていった。
 …あー、レジェンド?
 うん、今日の事は忘れよう。

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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -