▼ なんだそれ
「あれ、シキちゃんじゃん!
…って、無視は良くないよー」
知らない人というか、どれかの松野君に笑顔で肩を掴まれた。
なんでこうも最近、松野君とのエンカウント率高いんだろうか…。
呪い?呪いなの??
「あ」
「"あ"って何?
"あ"って言ったら許されると思ったの??」
煩いなー。と、指で耳を塞ぎながら半眼になりながら松野君を見ると、松野君も半眼で手を腰に当てて面倒臭そうな顔をしている。
そんな表情するくらいなら、ほっといて欲しい切実に。
「用がないなら行ってもいい?」
思わず舌打ちしそうになりながらも我慢してそう告げると、あっ待って!と私の腕を掴みながら器用にスマホを出してきた。
「L〇NE交換しよ!
んで、今度あそぼうぜ!」
「え、却下」
全力で腕を振りほどきながら告げると、松野君は粘り強く…いや、しつこくまとわりついてきて…結局交換せざるを得ない事になってしまった。
「俺、カリスマレジェンドおそ松な!
どうせ、シキちゃんは誰だかわかってないだろうけど…俺は長男のおそ松!」
鼻の下あたりを指で擦りながら、大事でもない事を2度ほど言うと、笑いながらスマホをブンブン振りながら走り去っていった。
…あー、レジェンド?
うん、今日の事は忘れよう。
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