あおいそら

どこでもいいだろ

 やっとやってきた休日。
 いつも履いていた靴がそろそろダメになりそうなので、ダメになる前に買っておこうと思って家を出たのが数分前だったハズ。
 そう、靴を買いに出たのに、なぜ松野君に妨害されてるのか。

「シキちゃん、どこいくのー!?」

 声をかけられた瞬間に反射的に無視すると、何故か私の前に回り込んできて…それを無視して避けて進むと、何故か私の目の前に…の無限ループ。
 最終的には、バスケかなにか?っていうぐらいにベッタリ張り付かれて、左右にフェイントをかけるという訳の分からない状態になっている。
 流石の私でもこのえげつない変人が松野 十四松だとわかる…というか、コイツは雰囲気が逸脱してるからひと目でわかる。
 …まぁ、差別はよくないので、毎回分からないフリを決め込んでいるけど。

「…なに?」

「シキちゃん、どこ行くんですか!?」

 何故かキラキラして、どこを見ているのか全く分からない瞳が私の目の前にある。
 目が合ってる…とは思うけど、合ってない気もする。それが十四松。
 …そういえば、十四松って何番目?まぁ、なんでもいいけど。
 とりあえず、教えないと店に行けそうにないのでウッカリ舌打ちをしながら、靴屋だけど。と答える。

「え、ハイヒール?」

 なんでそうなる?
 とりあえず、会話のキャッチボールが全くできそうにない。
 服装は野球なのに、会話のキャッチボールできないとかウケるー。と、現実逃避しかけた瞬間、トト子ちゃんがチラッと視界にはいった。

「あー、トト子ちゃんだー」

「えっ、どこどこ!?」

 若干棒読みになった気もするけど、トト子ちゃんを全力で指さして、松野君がその方向を勢い良く見た瞬間にカバンを抱えて全力で走りながら角を何度か曲がって撒いた。
 日頃運動不足の私には、かなり堪えるハードな運動だ…。

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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -