山本武VS.スペルビ・スクアーロ(1/2)

 


漸くスクアーロが下ろしてくれて自分の足で地(と言っても校舎の上だが)に立つ。



くそっ…スクアーロが勝手な行動とるからみんなと別れたではないか…



   ババッ



何の気配もなくあたし達の傍に降り立ったのは二人のチェルベッロ。
此処に居るあたしとスクアーロと少年達に告げる。



「今宵の対決フィールドは 校舎B棟です
 B棟へ おこしください」

((また校舎…か……))

「ゔお゙ぉい!
 それは どこだぁ!?」



スクアーロの大音量の質問にも淡々と答えるチェルベッロ。



「こちらです」



あたし達はチェルベッロに連れ立って今回のフィールドを目指した。
スクアーロは少年達から離れる前に「待ってるぞぉ!」なんて言葉を残してから。



今回のフィールドとなった校舎B棟は、窓もドアも頑丈に塞がれていて、地上にある一つに限られたドアと、屋上からの入口を除けば、出入口は完全に断たれていた。中身はもう原形すら留めていない状態だ。

少年達が校舎の中に入ってきたタイミングでチェルベッロが口を開く。



「これが 雨の勝負のための 戦闘フィールド
 アクアリオン

 特徴は立体的な構造
 そして 密閉された空間に とめどなく流れ落ちる 大量の水です

 最上階のタンクより散布される水は 1階よりたまり 勝負が続く限り
 水位は 上がり続けます



 なお 貯まった水は 特殊装置により 海水と同じ 成分にされ 規定の水位に 達した時点で
 獰猛な海洋生物が 放たれます」



チェルベッロの説明が終るとともにベルが「面白そーじゃん♪」と言った。
それを合図とするようにあたしたちは ばぁんっ と殺していた殺気を放つ。



「ヴァリアー!!!」



漸く気付いた沢田綱吉が叫ぶ。



「うししし
 朝起きたら リングゲットしてんの 王子すげー」



昨日の勝負で包帯だらけな上に松葉杖を片方だけついているベルが獄寺隼人にこれみよがしに嵐のリングを見せた。

そしてあたし達の後からゆっくりと姿を表したボスに気付いた沢田綱吉が「XANXUS!!!」と大きく叫んだ。
ボスはいつも通り



「負け犬は
 かっ消す

 てめーらか

 このカスをだ」



凄みのある重低音の声で言い放つとそのまま校舎の奥に ばっ と消えて行ったから、スクアーロのいつもの「ゔお゙ぉい!」なんて聞いてないんだろうな。


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