山本の選択(1/1)

 


   バッ

   ガッ




「ゔお゙ぉいっ!!!


 よく 逃げ出さなかったな 刀小僧!!
 活け作りに してやるぞおぉ!!」



   ドンッ



「S・スクアーロ!!」



待てっ!それはこっちの台詞だッッ!!バジルの野郎…うちの言葉奪いやがって……



「でっ でたーっ!

 やっぱ こえーーっ!!」



この声は…沢田綱吉。恐怖の余りあたしの存在無視してくれてんじゃないわよっ!こっちこそ 怖いっつーの!!



「そうは ならないぜ スクアーロ  」



   ヒュッ



「  オレが あんたを
 この刀で ぶっ倒すからよ」

「ん
 変形刀か」



うちを空気にして話を進めるな!バカアーロッッ!!いい加減あたしを放せっ



「ってことは

 流派を 超えるんじゃなく
 時雨蒼燕流でーー…」

「オヤジが 無敵ってんだから
 無敵なんじゃね?」

「無敵だぁ?

 オレは 自ら 無敵とほざいた バカ共を
 何百と葬って 来たぞぉ!!」



スクアーロはあたしを小脇に抱えた間々、あたしの存在も忘れて校舎の上から、沢田綱吉と刀の少年に話しかける。



いや… いい加減口を塞ぐのやめろ……しかも、勝手にヴァリアーから分離してこっちにわざわざ来やがって…あたしを巻き込む意味は何だ!

ってか、どーして昨日の帰りからこんなにもあたしを連れ回すんだ?スクアーロは……

今日来る時だって…… 「また墜ちたらいけねーからなっ」と笑って、あたしはスクアーロに担がれてきた……自分で跳んで行けるのに、なんでだ!
いや、まあ お姫様抱っこ じゃなかった分マシだが……?ん…でも年頃の女で仮にもヴァリアー雪の幹部のこのあたしを俵担ぎって…それは色んな意味で失礼だよね?え、失礼だよね?!



スクアーロと刀の少年が無言で視線を交錯させる中、あたしはスクアーロに(口を塞がれている((ただしくは彼の手があたしの口にある))ため)無言で じたばた して『降ろせっ!』とアピールする。

やっとあたしという存在に気付いたスクアーロは「あ……雪歩…悪ぃ」と言って、漸くあたしを解放してくれた。



うん!戦闘が終わってホテル帰ったらスクアーロを締めよう。



笑顔でスクアーロを見つめるあたしは、この後の勝負の結末なんて微塵も想像していなかった。


12/02/19


<< >>
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -