雲雀戻る!!(4/4)*

 


それにしても六道骸って言ったら……



夜に染まった街を建物伝いにホテルへと帰る途中。あたしはリボーンが雲雀恭弥に向かって口にした 六道骸 のことについて考えていた。



……数ヶ月前に集団脱獄をして、確かジャッポーネに逃げたはずだ。そこで何をしたかは解らないが、また暫くしてから復讐者によって牢獄に入れられたんだ。しかし、奴は懲りずにまた脱獄を試みた。数人の部下と共に…。けれどもやはり、復讐者。仲間はなんとか逃げ延びたらしいが、骸は復讐者に捕まり、今度は光も音も届かないような、最下層の牢獄に入れられた……と聞く。

恐らくこれが最新情報だ。

……しかし、何故あの六道骸とリボーン達が……



深く考え込んでいると隣で飛んでいるスクアーロから声が届く。



「ゔお゙ぉい!! まわりみてとばねーと 落ちるぞ雪歩」

『ちょ… 急に 声かけないでよねぇ!

 って
 うわぁぁあぁああ』



ちらりとスクアーロを見ていきり立つと彼の言葉通り、足を踏み外して、あたしは夜の街へ真っ逆さま。



「ったく」



しかし、助けにきたスクアーロによってなんとか一命をとりとめる。「手間かけさせんな、ガキ」スクアーロはあたしを見下ろしながらぼやく。

くそっ!スクアーロにガキ呼ばわりされるなんて一生の不覚だ……それに!!この体制も……

あたしは彼に所謂お姫様抱っこされている。



『離せ!もう大丈夫だ!!自分で動ける』

「おいおい そー言うなって!
 お前は オレかモスカがいねーと 本来の力使えねーだろぉ?」

『それは戦闘の話だっ!』

「また 墜ちられても 困るからなあ!
 お前は Neve miracolosa【奇跡の雪】こと ボンゴレの雪の守護者なんだぜぇ 雪歩」

『そんなことっ…知ってるわよ!』

「また墜っこちて ぽっくり逝かれても 困るからなあ」



逝くって、どんだけ失礼なんだこの鮫!!あたしはそんなに柔じゃないわよ!

しかし、どれ程もがいてもスクアーロはホテルまであたしをおろさなかった。



    ****



「ゔお゙ぉい!!」



真夜中のホテルの一室に耳に触る怒声が響く。

っち……あいつらが帰ってきやがったか…



「ベルは 勝ったぜ
 しかも 明日の勝負は オレだ

 これで イタリアに 帰れるなぁ
 ボスさんよぉ

 やっと おまえのくだらねぇ お遊びから 解放されるぜぇ」



   ビュッ

   ガッ




「ぐあっ  」



何と無く?いいや、毎度のことだ。



「  ゔお゙ぉい!!
 何だ てめぇ…!!」



オレの投げたグラスは見事に奴の頭に命中した。



「文句
 あんのか?」

「くっ」


12/02/18


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