怒涛の攻め(1/4)

 


夜中の並盛中学校に響くのは、ハリケーンタービンの突風が吹き荒れる音とベルの狂気に染まった声だけだ。



「あ゙はあ゙ぁ〜
 ドクドクが 止まんないよ」



スクリーンを通しても、ベルの行動は夜中の学校というロケーションに恐ろしいほどマッチしている。



「あいつの奇行
 相変わらず 理解できねーぜ」



珍しくスクアーロが警戒するようにほざく。
その横でマーモンはモスカの手の上からいつもの静かな口調で答える。



「知らないのかい? ベルが自分の血を見て 興奮するのは
 その血に 血を分けた兄の 姿を見るからだ

 彼は幼少の頃 双子の兄を めった刺しにして 殺したらしい

 その時のことを 彼は何喰わぬ顔で 「ゴキブリと間違えたんだ」 と言っていたよ そしてその時 最高の快感を得ることが できたとも――…
 ベルが暗殺部隊ヴァリアーに 入隊したのは 殺しの興奮を 忘れられなかったからだ


 あの表情
 無邪気で むきだしの残虐性が よみがえってる」



しかし、マーモンの言葉にも今回だけは恐怖の色がチラリと伺えた。
おそらくマーモンは自分でも気付いてないだろうけど....



「血だよ〜〜
 王族の血だ〜〜」

「よくわかんねーが」



スクリーンの向こう側では、こちら側の心境など毛頭知らない狂ったベルと顔の険しさが増す獄寺隼人が映し出される。



「ロケットボム!!」



   バッ

   ドシュ




獄寺隼人は再び、機動の変わるその技でベルに攻撃する。



「あ゙〜〜?」



ソレを避けないベル。



「へっ
 頭ん中まで ヤキがまわったか?」

「ししっ」



ベルは狂気に笑い ドン と飛び出し シュッ  シュッ とボムの火を何個か消ながら



   ドガガガ



「あ゙はあ!!」



ボムが爆発したのと同時に前に跳躍する。



「いよいよ 奴らしく なってきたな」



レヴィが隣で呟いた。



「うむ
 キレてこそ ベルの天賦の才は 冴えわたる」



   ダッ



ベルが獄寺隼人に近寄りながら ビュッ とナイフを投げる。



「ししっ」



ソレは突風により くんっ と屈折し シュッ  シュッ と獄寺隼人を外れる。



(風の影響で 狙いが デタラメだ
 ビビる こたぁ ないぜ!!)



   バシュッ



しかし獄寺隼人の顔は突然切れて血が吹き出した。



(なに!!)


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