天才のナイフ(4/4)

 


大量のダイナマイトはそのままベルに直撃した。



    ****



「す…すごい ……… 今のは…」

「まさかこれも ……新技…!?」

「ロケットボム… こいつこそが 6日間で奴が つかんだ技だ」

「方向転換するボムか」

「ああ 仕込んだ 推進用火薬の 噴射であらかじめ 決めた方向に 2度変化する

 隼人にもっとも 足りねーのは スピードだった
 ボムという武器の 性格上 着荷時間と山なりの軌道で どうしたって 敵をつかまえきれねぇ

 そこで武器そのものの 機動力を あげたわけだ
 奴はオレの トライデント・モスキートを見て 気がついたのさ


 狙いが手動なだけに テクニックを 要するが
 2度曲がれば 戦略は一気に 広がる

 何より 相次が生き残るために 習得したんだ
 そういう技は しぶとく決まる」



今、スクリーンには爆風の中凛々しく立っている獄寺君の姿。



「す… すごいよ
 獄寺君…」



    ****



「ベルの奴 無傷ではあるまい」

『そうだね…』

「あれが 始まるね」

「おぞましーぜぇ」



爆風も収まってきたスクリーンの向こう側。
ベルと獄寺隼人が戦闘している場所。大量のダイナマイトを浴びたベルとそれを投げ放った獄寺隼人。



   スパパ


   ズズ・・・  ズ

   ズン  ガラガラ




綺麗に菱形に切られた壁が崩れ落ちる。



「!!」



「うししししし!!
 あぁあ゙〜っ

 流しちゃったよ
 王族の血を〜〜!!」



ベルは血まみれになりながらもその場に立っていた。



「自分の血を 見てから 始まるのさ
 プリンス・ザ・リッパーの 本領は」



深夜の学校にマーモンの声がお似合いのように低く響いた。


12/02/16


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