XANXUSの笑み(1/3)

 


炎を点して立っていたのは



『沢田綱吉』



「なるほど

 エレットゥリコ・サーキットの 導体は金属でできていて 熱を伝達する働きがある
 その熱が避雷針の くびれ部分にまで伝わり 溶解したため重量に 耐えきれなくなり倒れたんだ」



マーモンがいつも通り分析して言った。



「でも  」

『?』

「  聞いてなかったぜ スクアーロ
 あんな バカでかい炎を 出せる奴が いるなんて」

「………」



(どーなってんだ あのガキ…… 5日前とはまるで別人だ 何をしやがった…

 家光の仕業か…
 いや……

 9代目が寵愛し 奴の家庭教師につけたという アルコバレーノかぁ!)

『……?』



沢田綱吉はゆっくりと口を開いた。



「……いくら 大事だって 言われても…
 ボンゴレリングだとか…
 次期ボスの座だとか…

 そんなもののために
 オレは戦えない  」

「「「『!』」」」



   シュウウウウゥ



「  でも…… 友達が……

 仲間が傷つくのは
 イヤなんだ!!!」



額の死ぬ気の炎は消えていた。

くそっ!生温いこと言って、正義ぶりやがって!あたしの一番嫌いなタイプだ!自分じゃ何もできない非力な癖して、言うことだけはいっちょ前。
あたしはまたも殺りたい衝動に駆られたが、それは飛んできた言葉により途絶えることとなる。



「ほざくな」



ドッ と沢田綱吉は横に弾き飛ばされ、無残にも どさあっ と地面に転がる。



「あっ!」

『あれは…!』



屋上の給水タンク。
舞い上がる煙の中で立っていたのは



「XANXUS!!!」



あたしたちのボス、XANXUSだ。

キッ と沢田綱吉が下からボスを睨みつける。



「………

 なんだ その目は…
 まさか おまえ

 本気でオレを倒して 後継者になれると 思ってんのか?」

「そんなことは 思ってないよ…
 オレは ただ……!

 この戦いで
 仲間を 誰一人失いたく ないんだ!!」



ボスの言葉に沢田綱吉が食ってかかった。
本当に、生温い奴め…



「!

 そうか… てめぇ!!」



   コオオォ・・・



ボスが左手を構える。



「XANXUS様 いけません!

 ここで手をあげては リング争奪戦の意味が!!
 拳をお収めください!!」



チェルベッロの一人が バッ とボスに近寄り、必死に止めている。
でも、あーあーあー。そんな近寄ったら…



「うっせえ!」



   ガッ



チェルベッロが吹き飛んだ。



ほら、言わんこっちゃない。



「オレは キレちゃいねぇ

 むしろ 楽しくなってきたぜ」


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