XANXUSの笑み(2/3)

 


『笑った…』



ボスは沢田綱吉を睨みつけながら、確かに笑った。



「こいつはレアだ」

「いつから見てないかな ボスの笑顔」

「8年ぶりだ」



みんなも次々にざわついている。から、あたしの見間違いじゃないはずだ!ボスは笑ったんだ!!
てか、久し振りに笑ったのか……顔、引き攣ってるよボス!なんか余計に恐ろしいよ…
とは、口が裂けても言えないし、毛頭も思ってないけれどもだね、うん!



「やっとわかったぜ 一時とはいえ 9代目が貴様を 選んだわけが…
 その腐った 戯れ事といい
 軟弱な炎といい

 おまえとあの老いぼれは よく似ている


 ……

 ぷはーーっ
 こいつは悲劇 いや 喜劇が 生まれそうだな!!」



今度こそボスはそりゃもう、大空を支配する太陽のように豪快に笑った。



「おい 女
 続けろ」



ボスに命じられてチェルベッロが、また機械のように淡々と話す。



「今回の守護者 対決は
 沢田氏の妨害によりレヴィ・ア・タンの勝利とし

 雷のリングならびに大空のリング
 ヴァリアー側のものとなります」

「え!!?」

「アホ牛 だけでなく
 10代目のリングまで!?」

「話が違う!! 失格では ないはずだ!!
 沢田殿は フィールドに入って いなかった!!」



チェルベッロの判決に納得いかず、必死に抗議するバジルも少年達も、これほど見ていて滑稽なものはない。



「フィールドの破損は 勝負への妨害と見なし 失格とするのは当然です
 ルールは 私達ですので」



チェルベッロはそのまま沢田綱吉に近寄り、首にかかっているソレを手にとり



   バッ

   とんっ




ひとっ跳びでボスの元に跪き、ハーフリングを差し出す。



「XANXUS様リングです」



   ピキンッ



ボスはソレを無言で受け取り、併せて一つの指輪にして中指に嵌める。



「これが ここにあるのは 当然のことだ
 オレ以外に ボンゴレのボスが 考えられるか  」



うわぁ。そんなこと言い切るボス、恰好いいなあ。



「  他のリングなど どーでもいい
 これで オレの命で ボンゴレの名のもと おまえらを いつでも殺せる  」



え?ちょっとまってよ、ボス!
どーでもは良くないでしょ!あたしはどーなんのさっ!!
帰ったらホテルで問いただしてやる。



「  だが老いぼれが 後継者に選んだおまえを ただ殺したのでは つまらなくなった
 おまえを殺るのは リング争奪戦で 本当の絶望を 味わわせてからだ

 あの老いぼれのようにな」



ボスは右手の中指に嵌まってあるリングを見ながら言った。


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