了平の右(1/5)

 


「お兄さんが 起き上がった!!」



「あなたと私じゃ 肉体の出来が違うの 灼熱のライトの中では もうもたないでしょうに
 さっさと死んで 私の死体コレクションに なりなさいな」



ルッスーリアは右腕を前に出し、小指を立てて起き上がった笹川了平に言う。



「いいや…! まだだ!!」

「立っても いいこと ないわよ
 あなたの パンチは通用 しないんだから」

「ああ…
 確かに 通用 しなかった…

 左はな…」

「!」



『そーいえば…』

「そうだ
 右は一度も 撃ってねーぜ コラ!」

『!』

「で…でも
 なんで…?」



沢田綱吉の問いに答えるようにコロネロが口を開く。



「一つは 細胞を休めて ベストな状態に 持って行く目的がある
 もう一つは 奴が晴の守護者だからだ」

『!?』



「この右拳は
 圧倒的不利を はね返すためにある!!!」



笹川了平はついに立ち上がり、言い切った。



「んまぁ これは 傑作だわ!滑稽だわ!」



((やっぱり……ルッスーリアもスイッチ入って激しくなってきたな…))



「何が おかしい!」

「あなたの 温存しているパンチが どれほどのものか 知らないけど
 当たらないと 意味ないのよ」



   スス・・・

   スススス・・・・・




ルッスーリアが遂に物凄いフットワークの軽さで動き出した。そうね、あたしたちの視界で見えるのはまるで影分身、とでもいうところか。



   ガッ



「ぐあっ!!」



ルッスーリアの右拳が笹川了平の左頬にクリーンヒットする。



   ドシャッ



そのまま笹川了平は倒れたが、すぐに立ち上がり ざっ... と構える。



『わぉ』

「へぇー」

「なかなか雰囲気があるよ」



リング上を誰もが静かに見守る中、響くのはルッスーリアの軽やかな足音だけ。



「そこか!」

「!」

「うおぉお!」



笹川了平が嘶きながら右拳を振り上げた。



「極限太陽ーマキシマムキャノンー!!!」


.


<< >>
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -