大空戦(1/3)*
「雪歩、俺は事情があって大空戦遅れていくからあいつらに宜しく言っといてくれ!」
『は?ふざけんなっ!!なんであたしが敵のあいつらに"宜しく"言う必要がある?!
それにあたしは スクアーロを助けてくれた キャバッローネには 感謝してるが お前は死んでも嫌いだッッ!!』
「おいおい…… そのキャバッローネのボスは誰だよ 雪歩?」
『知るかっ!!
それと……名前で呼ぶなって 何回言ったらわかるんだ 跳ね馬?ぁあ?』
「まあ そんな怒るなって…」
『気安く触るなッッ!!!』
愈 大空戦が始まる今日の午後。まだ日の明るいうちからホテルを飛び出して、スクアーロに会いに来たのに……。あろうことか病室目前で跳ね馬率いるキャバッローネファミリーに遭遇。
意識を取り戻したって聞いてから、なんやかんやで見舞い来れてなかったから今日と云う日に来たというのに、跳ね馬とのやり取りに疲れたあたしは、スクアーロに会うことなく病院をあとにした。
((これも、全てあの金髪下睫毛のせいだっ!))
ちょっとでもスクアーロに顔見せて帰れば良かったなあ。
とか、今更後悔しても過ぎたこと。遅いのだ。
此処(波盛中学校)まで来たのに身が入ってないあたしを見てボスが声をかけてくる。
「油断してると 死ぬぞ」
たった一言。
でもボスのそのシンプルで直球のその言葉であたしは気付かされる。
馬鹿かあたしは!
この世界、油断は禁物!
例え中学生でも侮ったらこちらが危険に晒される!
というのに……
なんだあの 不様なさまは?
もう戦場に立っていると云うのに
目の前に今日の獲物が居るというのに
他のことを考えているなんて
自ら首を差し出すようなものだ!
切り替えろッッ!馬鹿ッッ!!
ペチンッ ペチンッッ
両頬を2回ひっぱたいて現実を見る。
目の前には沢田綱吉を筆頭に ぞろぞろ とその守護者の姿が見える。
そしてこちら側は、ボスを筆頭にベルやレヴィさん、それに籠の中の鳥となったマーモンにベッドごと担ぎ込まれたルッスーリアの姿。
―――スクアーロは此処にはいない―――
そして睨み立つ両虎の中央にいるピンクの長髪のタヌキ眼鏡がチェルベッロの二人。
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