クローム髑髏VS.マーモン(2/4)*

 


    ****



「よぉ雪歩
 ひっどい顔してんな」



ドアを開くと、目の前に立っていたのは――…



『ディーノ』



かつてスクアーロの同級生だった、今やボンゴレの同盟ファミリー キャバッローネファミリーの10代目ボス。跳ね馬ディーノだ。



『なんのようよ……こんなところまで…』



そう。此処はヴァリアーが借りたホテルの一室だ。勝手に入ってくるだなんて…



『それにみんなは…』

「ヴァリアーの連中なら もう並中に行ったぜ

 オレは お前に用があってきたんだ
 お前が何て言おうと オレはお前を つれていくからな」



みせしめのようにディーノの武器である鞭を見せる。部下が後ろに沢山いるから今日はヘマしないらしい。



『何処にでも連れて行きなさいよ
 あたしはもう 力を失ったも 同然なんだから 抵抗も無意味な程だから』



自嘲を零してもディーノは顔色一つ変えずに口を開く。



「割と素直なんだな 雪歩…」

『名前で呼ぶなっ!』

「はいはい

 じゃあ オレ達について来てもらえるか ゼーフェリンク・雪歩」

『……… 勝手にしろっ』



そのままあたしは昨晩から篭りっぱなしだったホテルの一室をあとにして、ディーノたちに着いていった。

抵抗なんて考えるはずも無い。今のあたしは本来の力を発揮できやしない。翼を失った天使のようなモノだ。

それ以上考えるとあたしが益々落ち込むだけなので、必死に考えないようにしながらディーノ達に着いていくと



『……?』



たどり着いたのは病院。



「お前に会わせたい奴がいる」



ディーノは つかつか と正面玄関から入っていく。あたしもそれに倣う。
エレベーターに乗り込み3Fで降り、繋がっている救急病棟の方に足を運ぶ。
更にそこから階段で上に上り、5階の1番角の部屋。501号室の前で足を止める。

部屋番号の下の表札には名前が書かれていない。



「ゼーフェリンク中に入ってくれ」



ディーノの声とともに静かに引かれた病室の扉。部屋の真ん中には真っ白のベッドに横たわる人。何やら色んな機器に囲まれて寝ているその人物は――…



『…スクアーロっ……』



彼に飛びついてベッドの脇で泣き崩れる。

あたしの唯一の愛方-パートナー-



「単刀直入に言う!

 スクアーロは 今かなり ヤバい状況だ…
 だが スクアーロはまだ生きてる!
 この意味が解るか? スクアーロが 生きてる限り お前の力は使える

 だから…… スクアーロを お前の力で 治せ!!

 ゼーフェリンク・雪歩!!!」


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