ハーフボンゴレリング(2/2)*

 


   ****



そりにしてもよくこんなところまで逃げたわね。バジルも……



『ねぇ、もうちょっと早い段階で捕らえられなかったの?』



   キュイイイーンッ

   ゴゴゴゴゴゴゴッ




「あ゙あ?」



今にも飛び立とうとする飛行機の中。
座席を軽く傾けて、頭の後ろで腕を組むのは……



『ターゲットのバジルのこと』



……あたしの相方のスクアーロ。



『スクアーロが遊んでるから日本まで来ちゃったじゃないのよ、もう』

「ゔお゙ぉい!!俺は遊んでた訳じゃねぇ

 でも
 日本まで追っかけて来て良かっただろぉ?」



不適な笑みを浮かべて、その手に ガシッ と持っている小さな箱を見せ付けてくるスクアーロ。



『……そ、そうかもね…』



ハーフボンゴレリングを獲得したことはこれ以上に無いことだ。そしてあの少年に接触出来たことも。



((あの少年は恐らく……))

「……沢田 綱吉、だなあ」



次期ボスの証であるそのリング。

スクアーロはそれをバジルから奪えという任務をボスから言われた。
そして、当然の如くあたしは彼に同行して――結局、日本まで来た。



まぁ、(スクアーロの)任務も達成したことだし、こうやって飛行機で本土に帰っている訳だけど。



雲の上。

果てしなく続く世界の向こうの方で太陽が沈もうとしていた。


12/02/03

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