ハーフボンゴレリング(2/2)*
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そりにしてもよくこんなところまで逃げたわね。バジルも……
『ねぇ、もうちょっと早い段階で捕らえられなかったの?』
キュイイイーンッ
ゴゴゴゴゴゴゴッ
「あ゙あ?」
今にも飛び立とうとする飛行機の中。
座席を軽く傾けて、頭の後ろで腕を組むのは……
『ターゲットのバジルのこと』
……あたしの相方のスクアーロ。
『スクアーロが遊んでるから日本まで来ちゃったじゃないのよ、もう』
「ゔお゙ぉい!!俺は遊んでた訳じゃねぇ
でも
日本まで追っかけて来て良かっただろぉ?」
不適な笑みを浮かべて、その手に ガシッ と持っている小さな箱を見せ付けてくるスクアーロ。
『……そ、そうかもね…』
ハーフボンゴレリングを獲得したことはこれ以上に無いことだ。そしてあの少年に接触出来たことも。
((あの少年は恐らく……))
「……沢田 綱吉、だなあ」
次期ボスの証であるそのリング。
スクアーロはそれをバジルから奪えという任務をボスから言われた。
そして、当然の如くあたしは彼に同行して――結局、日本まで来た。
まぁ、(スクアーロの)任務も達成したことだし、こうやって飛行機で本土に帰っている訳だけど。
雲の上。
果てしなく続く世界の向こうの方で太陽が沈もうとしていた。
12/02/03