ハーフボンゴレリング(1/2)

 


あたりには戦闘により傷付けられたテーブルと椅子が無残に転がっている。



「ゔお゙ぉい
 ソレを渡す前に 何枚に おろして欲しい?」



スクアーロがバジルと少年の二人に迫る。



「渡しては いけません 沢田殿」

「え!?
 ちょっ なんなの?
 どー なってんのー!?」



依然、現状を理解出来ず戸惑っている少年。



「あいかわらずだな S・スクアーロ 
 
 ―――それに、ゼーフェリンク・雪歩」

「!?」

((この 声は……!))



振り向くと……



「子供相手に ムキに鳴って 恥ずかしくねーのか?」



鞭を持って、部下を携えてきた



「!?」

「ディ…
 ディーノさん!」



キャバッローネファミリーのボスである



「! 
 跳ね馬 だと!?」

『ディーノ』



跳ね馬ディーノが立っていた。



((日本の この少年
 こんなコネを もってるのね))

(跳ね馬ディーノ…
 こいつを 相手にするとなると 一筋縄じゃいかねーか)



あたしとスクアーロはディーノをじっと見やる。

緊張した空気が通る中、口を開いたのはスクアーロ。



「ゔお゙ぉい 跳ね馬
 お前をここで ぶっ殺すのも 悪くない
 だが 同盟ファミリーと やりあったとなると 上がうるせぇ」


そう、彼はあたしたちの同盟ファミリー。



「今日のところは おとなしく…」



スクアーロは少年の髪を ガッ と掴みそのまま持ち上げる。



「帰るわきゃ ねぇぞぉ!!」

「ぎゃっ」

「手を放せ!!」



   ビッ



ディーノがそれに対して鞭を奮う。だが、



   ドシュッ



スクアーロも剣を振り、仕込み火薬をとばす。そして ドゴオッ という物凄い爆発音とともに、またもや煙が漂う。



「やろう!」



   ゴホ!  ガハッ



「んっ!」



煙の向こう側でディーノが叫んでいるのが聞こえる。



「お前達! 大丈夫か?」

「ゴホッ」

「ガハッ」



本当にざまあないわね。



「貴様に免じて こいつらの命は あずけといてやる

 だが こいつは いただいていくぜぇ
 ゔお゙ぉい」

((スクアーロ、最後の"ゔお゙ぉい"はいらない…))



漸く晴れてきた煙の中で、スクアーロの手の中にはさっき彼等がこっそり渡そうとしていた小さな箱。



「な」

「ああっ
 ボンゴレリングが…」

「!!
 ボンゴレリング…?」



「じゃあなぁ」

『まったねー♪』



戸惑う彼等から、 バッ と常人離れした体術で、あたしたちはその場から瞬時に逃げ去った。


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