八の型 篠突く雨(1/3)

 


「山本ーーー!!!」

「山本!」



少年達が校舎の壁面で出来た巨大スクリーンに向かって叫んでいる中



「ゔお゙ぉい!!」



と注目させる一声はスピーカーからだ。その声を合図に、スクリーンには画面一杯にスクアーロが映し出される。



「ガキども!! 刀小僧の無様な 最期を
 目ん玉かっぽじって よく見ておけぇ!!」



スクアーロの声に、彼等は震え上がった。



「ん゙?」



   ドンッ



しかし、画面の中で、山本武は立ち上がった。



「ゔお゙ぉい 寝ていろ!!
 そのまま おろしてやるぞぉ!!」

「そーは いかねーよ

 時雨蒼燕流は
 完全無欠 最強無敵だからな」



ハァ ハァ... と息を荒げながらも振り返った山本武の顔がデカデカとスクリーンに写される。



「頑固だね」とベル。

「強がりを 言ったところで

 あの体じゃ 何もできやしない くせにね」とはマーモンの言葉だ。

確かに、傷だらけの山本武じゃスクアーロには敵わないわね。



「カスが!! まずは そのへらず口から
 切り落としてやるぞぉ!!

 お゙お゙いっ」



剣を再び構え、 ドシュシュッ と仕込み火薬を何度もとばす。



   ドガガガ  バシャッ

   ザザッ




山本武の周りにいくつも火薬が落ちて、水が噴き上がる。

しかし、彼はそれを全て避け、再び瓦礫を利用してスクアーロが居る上の階まで昇って来たのだ。



「ぐ」

「…………」

「ハァ
 ハァ
 いくぜ」



その場で姿勢を低くする山本武に、軽く振り返り「何しに来た」とはスクアーロの台詞だ。しかし、山本武はそれに答えることはなく、右の腰のあたりで剣から竹刀に戻ったソレを構える。



「ゔお゙ぉい
 脳細胞が ねぇーらしい なぁ!!  」



   ダッ



「その構えは知っているぞ!!」


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