「さぁ打てぇ!!
　秋雨を!!!」



スクアーロが ザッ と飛び出す。



　　　ペシュウゥゥ･･･



静かに山本武の竹刀が刀に変形する。



　　　ドッ



スクリーンには水柱が立ち、二人の姿は映っていない。

一体どうなったというのか！早くスクアーロを映せｯｯ!!

身を前に乗り出してスクリーンを見ると、カメラが別のカメラに切り替わり水柱の中の二人の様子が、まるでスローモーションのように映し出された。



『！』



　　　ザバァッ



「ぐはっ」



遠くに飛ばされ、倒れたのは――…



『スクアーロｯｯ…』

「どーなっている……!?」



隣ではレヴィさんも頬に汗を垂らしながらスクリーンの映像を見ている。



「ハハハ
　やっぱりな」



静かに笑う山本武。

何がやっぱりと言うのか…



「ぐ…
　ぐはっ…！　　」



彼の一撃をモロに喰らったスクアーロは苦しそうに口から血を吐いて ザッ と起き上がる。



「　　貴様!!　　」



その細く鋭い目で山本武を酷く睨みつけて。



「　　時雨蒼燕流以外の 流派を 使えるのかぁ!?」

「いんや
　今のも 時雨蒼燕流だぜ　　」



『!!』



「　　八の型 篠突く雨は
　オヤジが作った型だ」



『!?』



並盛中学校の校舎のスクリーンを見ていた者全員の頭に恐らく"？"が浮かんだだろう。
しかしリボーンだけは見透かしていたかのように喋るから、あたしも少し注意深く聞いてみる。



「なるほどな それで八代 八つの型なんだな

　時雨蒼燕流にとって 継承とは 変化のことなんだ


　おそらく 山本の父と スクアーロが倒した継承者は 同じ師匠から 一から七までの型を 継承され
　その後 それぞれが 違う八の型を作ったんだ


　時雨蒼燕流の継承者は 先人の残した型を 受け継ぎながら 新たな型を作り そしてまた弟子に 伝えていくんだ

　逆だぞ むしろ 今まで途絶えなかったのが 不思議なくらいだ

　一度きりという シビアな型の継承法
　変化には 進化だけでなく退化もある

　その中で 最強を謳い あえて強者から 狙われるんだ
　まるで 自分で自分を追い込む みてーにな

　ゆえに時雨蒼燕流は 気と才ある者途絶えた時 世から消えることも 仕方なしとした
　滅びの剣と 呼ばれる」


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