おはようございます!

そんな訳でVARIAに来て初めての朝。ベッドの上で、まだ不鮮明な意識の中で携帯の時計を確かめると08:37。日本では少し寝過ごした感が有るけれど、ここはイタリアVARIA本部。誰も起こしに来ないということは、まだ寝ていても大丈夫なのだろう。

再びゴロンと寝返りをうちながら遠ざかる記憶の端で鳥たちの囀りが聞こえる。あぁなんて優雅な朝なんだ、イタリア!

しかしゴロンゴロンするも再び寝ることは叶わず、結局体を起こしてとりあえず談話室に向かった。



角を曲がって突き当たりが談話室という所で白髪の長髪の人に出会った。



『おはようございます、……えっと』

「スクアーロだぁ」

『スクアーロさん』

「あ゙ぁ、Buona mattina。ちょうどいい。今お前を呼びに行こうとした所だぁ」

『はぁ、そうですか…』



「そういえば、まだお前食堂の場所知らなかったよな?」と言いながらヅカヅカと一人で歩いて行ってしまうスクアーロさん。ちょっと、待ってください!歩くの速い!



『ちょっと待ってください、スクアーロさん!』

「あ゙ぁ?」



あたしの一言にスクアーロさんは振り向き、その場で止まってあたしが追いつくのを待ってくれる。し、紳士だ!



『すいませんスクアーロさん。』

「ああ、悪ぃ」



素っ気ない返事だけだったけれど、今度はあたしの歩調に合わせて歩き出してくれる。



『スクアーロさんて見かけに寄らず優しいんですね』

「ゔぉ?」

『あ、いや!なんとなく……イメージと違ったなって。』

「ふーん。あ、そうだお前!スクアーロ"さん"は辞めてくれ。」

『どうしてですか?』

「俺もお前も幹部だからだ。同じランクなのに俺だけ"さん"付けは何か嫌だ。」

『わかりました。極力気をつけます。』

「ゔぉ?お、おう」

『そのかわり!』



あたしは人差し指を立ててスクアーロの前にズイッと突き出し、一瞬間をおいてから、口を開く。



『あたしのことも、名前で読んでくださいね♪スクアーロ!』



あたしの反応が予想外だったのか、一瞬面食らった顔をしたが、直ぐに理解して納得したのか、少し照れたように「ああ。」と素っ気なく返事したのはあたしの気のせいかな?



まぁ、スクアーロさn‥スクアーロとは一歩近付けた気がします!

これからVARIAで生活していくんだから、早く他の幹部とも仲良くなりたいなあ。


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