再び来た道を戻る。勿論九代目の守護者が運転する車で。しかし本部に赴いた時と違うのは守護者の数。空港に迎えに来た時は5人と車に2人、計7人全員の守護者が迎えに来てくれたが、今VARIA城に向かっている車の中には(運転をしているビスコンティ(雲)と右隣のニー・ブラウjr(晴)と左隣のガナッシュ・V(雷)の)3人の守護者とあたしの計4人だ。それは一重にVARIAの居城がVONGOLA本部の隣町ということと、それほど遠くない道程からして襲撃者も居ないだろうという訳で、九代目が無駄を省いたためだ。

ああ、あんな立派なVONGOLA本部の宮殿がもう小さい。その近くに聳え建つ門外顧問本部のビルでさえちっぽけだ。

程なくして少し外が賑わってきたと思ったら、どうやらVARIAの城がある町に入ったらしい。しかしなんというか。やはりこんな閑静な町にあのVARIAの城があるというのはなんともおっかない。イメージが崩れるというか、粉砕だ。



「さぁ着きましたよ」



そんなことを考えていると前方から声が飛んできた。
改めて車から降り立って見上げると物凄い豪壮だ。なんていうか、フランスにあるモン・サン=ミッシェルのような城だ。

あたしがあっけにとられているとガナッシュ・Vに「早く中に入ってXANXUSに挨拶をしましょう」と背中を押され、またもや目に焼き付ける間もなく中に入る。



「きゃー、いらっしゃい!貴方が今日来るって言ってたローザちゃんね♪」

『……?…』

「「「……」」」



扉を開けると中で待伏せていたのは、ムッキムキの体を持ちながら…えっと……オネェ言葉を喋る、サングラスをかけた特徴的な髪型の…………お、男?



((いや、あたしは認めない!あんな人が男だなんて!!かといって女ではない!断じてない!うん、そうなんていうか……モンスター))



第一関門ハード過ぎて突破出来ません、隊長!



何となく身の危険を感じ、ガナッシュ・Vの後に隠れる。別に一番近くに居たニー・ブラウjrでもビスコンティでも良かったのだが、直感というか何というか。うん、ガナッシュは九代目の右腕らしいしね。なんとなくガナッシュの後に身を潜めた。



「やだ〜ローザちゃんたら緊張してるのかしらん?」



語尾に"ハート"でもついてそうな甘ったるい口調でモンスターが喋った。



「彼(?……はVARIAの晴の幹部でルッスーリアという……人物です」



言葉が迷ってるぞ、ガナッシュ・V!



「ルッスーリアよん、よろしくねん」



モンスtt‥基、ルッスーリアに手を差し延べられたあたしは少し困惑しながらも、彼(?の手を握った。



『ローザ…です』

「やだん、手ぇぷにぷに〜」



うん、本当どうにかして下さい。これからこの人と一緒に活動するだなんて想像しただけで物凄く疲労が……



「悪いが、ルッスーリア。XANXUSのところに急いでいるので失礼する」



この場を切り上げたのは他でもないガナッシュ・Vだ。どうやらあたしの心中を察してくれたらしい。流石は九代目の右腕だ。
「あら〜残念。もっと話したかったのに」と言う彼(?の言葉を残しガナッシュに続きあたしとブラウjr、ビスコンティも中に入る。

外観か豪壮なだけあって中も相応の広さだ。VONGOLA本部に負けず劣らずの豪華さで、やはりキョロキョロしながら廊下を進んでいく。



「突き当たりを右に曲がった一番奥の部屋がXANXUSの部屋です」



ガナッシュが言ったその部屋は、他の部屋とは広さが違うのであろうとドアからでも推定できる程だ。



『……わぉ……』



「さぁさあ、XANXUSの部屋に入りますよ」と、いい加減あたしの反応にもなれてきたらしいガナッシュがいなした。だって三度目だもんね。

コンコンと二回ノックをすると、中から「入れ」と言う低い声が響いた。
どうやら観音開きになっている大層な扉を引くと、目の前の書斎には誰も居なかった。



((ぇ?普通書斎の椅子に座って後ろ向いてるもの何じゃないの?!))



変わりに低い声の主はソファーの上に寝転がり欠伸をついていた。


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