扉を開けるとソコは――…



倉庫でした!

なんて死んでも言えない!!嫌だ、言わない!

何で部屋を間違えたのか考えていると…………



((うわー、右右左を左左右に行ってる!
 あたしって馬鹿?!))



益々自分の言動が拍車を掛けて恥ずかしくなる。さっき上ってきた階段口にまで戻り、今度はきちんと頭で確認をとりながら、なんとかボスさん部屋までたどり着いた。
そして今度は一息も付かずに勢いよく扉を開けると、半壊し家具などが焼け焦げとなったボスさんの部屋の中央に。ソファがあっただろうと思しきその場所に、スクアーロさんが倒れていた。



『スクアーロさんっ!』

「ゔぉ?……ローザか…」



あたしが声をかけて近寄るとスクアーロさんはまだ呆けたような顔でこちらを振り向いた。



『大丈夫ですか?』

「あ、まあ一応なぁ……」

『突然、爆音が聞こえたから焦りましたよ…
 ボスと何かあったんですか?』



スクアーロさんの顔を覗き込みながら聞くと、彼は少しばつの悪そうな顔をした。



『?
 まあ、無理には聞きませんが…』

「あ、あぁ」

『…それにしても よく生きてましたね、スクアーロさん!』



部屋がこんなにも焼け焦げたりしているのに、よくもまあスクアーロさん生きてたな。なんて思いながら彼に笑顔を向けると



「ま、まあ……いつものことだからなぁ…」



と、少し弱めなスクアーロさん。



「それに……」

『?』

「今回はオレが悪かったしなぁ!」



へっちょこを向いて後頭部を掻くスクアーロさん。

なんだか 少しだけ 可愛いや。

そう思うと自然に笑みがこぼれていた。



「ゔお゙ぉい!何が可笑しい?」

『いや、別にっ……ふふっ』

「ゔお゙ぉい!!」

『だから…なんでもないですって!(笑)』

「"(笑)"ってついてんじゃねーかぁ!」

『そんなことないですよ!!(爆)』

「ゔお゙ぉい!"(爆)"って爆笑してんじゃねーかあ!!
 言えぇ!何が可笑しい?」

『いえ!可笑しいんじゃないんです……』

「じゃあ、なんだぁ?!」



いやいやいや……
あんなに質実剛健なスクアーロさんが、あんな弱気なこと言うなんて…
それに…………あんな可愛く、笑うなんて…


なんて、言える訳じゃないですか!スクアーロさん!!



お互い全くひこうとしないやりとりを、あたしとスクアーロさんはしばらくしてから



「もういい!」



ついに根負けしたらしい、スクアーロさんの一言によりあたしたちはボスさんの部屋をあとにする。



最後に「もういい!」と投げ出したスクアーロさんも、以外に可愛かった、だなんて口が裂けても言えません!(笑)



『ふふっ』

「ゔお゙ぉい!!いい加減、笑うのやめろ、ローザ!!!」



VARIA城にもう何度目か解らないスクアーロさんの苛立ちの声が木魂する。





     ふふっ







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