真昼間だと言うのに突然物凄い爆発音がした。
急いで城の中に入り、ボスさんの部屋を目指して快走中、2階の廊下でボスさんとすれ違う。



『ボスさん?』



急いで急ブレーキをかけてとまったあたしは振り返ってボスさんの背中に声を投げる。



「あぁ?」

『大丈夫なんですか?』

「何がだ?」

『あ、いや……ボスさんの部屋から物凄い爆発音がしたから…もしかしたら、急襲かと思って』

「っは……俺に急襲かける奴などよっぽど馬鹿だ。そんな奴いる訳ねーだろ。」



ボスさんはふりかえり、あたしのところまで歩いてくる。



「まあ、爆発が俺の部屋なのは間違いねーがな!」

『え?』

「今頃のびてるんじゃねーか?あのカス鮫が


 まあ……俺を心配してくれてありがとな、ローザ」



そう言ってボスさんはあたしの頭に軽く手をおいた。ボスさんの大きな手で優しく頭を撫でられる。



―――不覚にも 懐かしい感じがした―――



ボスさんはあたしの頭を優しく撫でると、またもとの方向に歩き出した。いつもより少し上機嫌で。
あたしはそんなボスさんが見えなくなるまで廊下に立ちすくんでいた。

半ば無意識状態のあたしを現実に引き戻したのはベルさんの一言。



「いーのかよ、ボスの部屋確認しに行かなくて!」



はっ!と我にかえり、振り返ると階段口に「しししっ♪」と笑うベルさんの姿。



『そーだった!!ベルさんありがとう!』



あたしはそのまま階段を駆け登り4階の一番でかい部屋を目指す。



((そこの角を右に曲がって、右に曲がって、左の部屋))



ボスさんの部屋は言うまでもなく、この城で1番大きな部屋だ。そして、もっと言うまでもなく、外からも中からも襲いにくい場所にある。だから普通は急襲なんて以っての外か。自分の先程の言葉が嫌に恥ずかしくなる。こんな場所に部屋があるのに急襲なんてありえない。抑VARIA城に無断で忍び込む奴など古今東西未来永劫あらわれないだろう。

あー、なんて恥ずかしい言動…

そんなことを考えながら走っていたためか……ボスさんの部屋にもう着いてしまった。
ドアに目をやると、内側でなにやら壮絶なことが起こったであろうことがひしひしと伝わってくる。雰囲気で。
あたしは大きく一つ深呼吸をしてから、そのドアノブに手をかける。
ゆっくり ギイイィィ と開かれたドアの先。通常ならばそこに本来のボスさんの部屋があるはずの世界。



扉を開けるとソコは――…


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