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少し血の表現あり




「初めまして。」
「・・・え?はい、初めまして。」
「待ち合わせ?」
「えっ、え、は、い、」
「ふーん・・・友達?」
「っ、ちが、え、え?」

今どきガラケーって!いーじゃんまだ使えるし!つうか二台持ちだから!サブだから!なんてクダラナイやり取りをLINEでしながら友達以上恋人未満を待っていた*は、落ちた影に顔を上げて思わず一歩後ろへ
ひたりと背中が壁につき、目線の位置に手がおかれて片側を塞がれた
そしての質問責めに、*は早く来てと待ち人を待つ

「恋人?」
「まだ、」
「まだ?じゃあ、なりたいの?」
「ご、ごめんなさ」
「*!」

ぐっと誰かに腕を捕まれ、顔を向けた*は助かったと待ち人に近づく
そっと背に庇われながら声をかけてきた人物を見れば、唯一見えている右目を細めて笑った

「*、この人知り合い?」
「えっと、」
「*は知らないかもねぇ・・・私は知っているけれど。」

ストーカー?と首を傾げた待ち人が、一瞬で消える
目を見開いて固まる*は、ギギギと不自然にさっきまで背にしていた壁を見た
壁には、どれほどの力が加えられたのか、頭から一筋の血を流し目をチカチカとさせている待ち人がいて
その首には大きな手が食い込み血管を浮き出させている

「*っ、にげ」
「逃げたら殺しちゃうよ?」
「ッ、な、なにが、望みですかっ・・・?」
「一緒に来て欲しいだけ。」

わかりましたと頷いた*に、不審者はにこりと笑った

「よろしくね、*チャン。」


(きっと、昆奈門さんは覚えていて、私に、まだ怒っているんだ。)

(***は私を忘れてしまったようだけど、離してあげる気はさらさらないよ。)