- ナノ -


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 もっとここにいたい、そんな場所があった。ずっと一緒にいたい、そんな誰かがいた。それでも竜は、旅を続けていた。まだ見ぬ空に向かって。
 離れる寂しさも痛みも、懐かしさも──それは、その場所や誰かを思うからこそ。留まり続ければ得てして見えなくなってしまう大切な思いを、旅の中で、竜は感じていた。


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