- ナノ -
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その男は、相棒の龍と一緒に炎を吹いたり、自力で空を飛んだりしていた。摩訶不思議な光景に、多くの人々が釘付けだ。すごいものだな。技の披露が終わったあと、竜はそう男に声を掛けた。実際、タネも仕掛けもあるんだけど、と彼はにっこりする。知っているのが相棒と僕だけなら、それはもう、魔法のようなものだろう?
世界中に夢を届けたいという彼は、手早く準備をすると、相棒に飛び乗り、片手をひらひらさせながら、まるで風のようにいなくなってしまった。
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