- ナノ -


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 ついに辿り着くな、と竜。遠い地平線に、高い屋根、低い屋根、いろいろな建物が見えてくる。竜の背に乗る人間は、大きく頷いた。その表情は意外にも、硬い。緊張しているのか、それとも……竜は僅かに口の端を上げた。旅の終わりは、怖いか? 彼もふっと笑った。確かに、そうかもしれない。ずっと目指していたもの。それがこれから、無くなるのだから。
 街は美しく、日の光に煌めいている。まるで、竜と彼を手招きするように。


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