- ナノ -


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 青々とした輝きは、いまや夢のように思われた。木々はすっかりその葉を落とし、北風に身を震わせているかのようだ。でもさ、と少年は言う、冬の木は他のとっておきのものを枝先に宿すんだよ。
 その夜、木々の下から空を見上げた竜は、少年の言葉の意味を知った。数えきれないほど大小様々な星が、葉の代わりに木々を彩っていた。
 

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