- ナノ -
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今度目が覚めたら、と彼は竜に言った。竜と人とが戦わなくていい世界になってるといいな。竜は言った。ああ、きっとそうなっている。だからいまは、静かに眠れ。彼はゆっくりと頷いた。先に寝かせてもらうよ。彼の瞳から最後の輝きが消えてゆく。竜は涙を流しながら、おやすみ、と小さく呟いた。
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