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　その海辺の岩穴には、片翼の折れた飛竜が住んでいた。竜が彼を訪ねていくと、飛竜は穏やかな表情を浮かべていた。空は飛べなくなっちゃったけれど、と飛竜は言った。いまは、大好きな海のそばで暮らせるのがうれしいんだ。それに不思議と、飛べたころよりも海の音や風の音がよく聞こえるようになった気がするよ。竜は遠くの人間の街で起きたことなどを話し、飛竜の岩穴を後にした。

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