- ナノ -


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 その光景が、脳裏から離れない。ふと振り返って見上げた空。抜けるように輝く青のなかを、一頭の竜が黒い影となって飛んでゆく。風のように軽やかに、流れるように。それでいて、揺るがず、まっすぐに。夏が来るたび、空を振り返った。またあの竜と会える気がして。


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