- ナノ -
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傾き始めた太陽が海にひかりを投げかける。それをじっと眺める竜に、彼女は言った。旅の間、寂しくなっちゃうことってないの? 竜はしばらく、何かに思いを馳せるように目を閉じた。そして言った。そんなときには、ひとつずつ思い出している――いままで出会ったものたちのことを、と。
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