- ナノ -


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 竜たちが姿を消すと、決して少なくない数の人間が、それを人の勝利だと受け取った。幾つもの凱旋が行われ、野や街に残っていた竜の亡骸は、死してなお酷い目に遭わされることとなった。
 そんな人間に歯向かおうとする生き物はいなかった。人の時代が来たのである。屍の山の上に。


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