- ナノ -


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 野を覆う炎の上に風が吹く。柔らかな風は火を消すこともない。煽ることもない。ただ、通り過ぎてゆく。
 竜が背に感じるのは春の日差しのあたたかさ。大地から伝わってくるのは戦争が生んだ灼熱。その狭間を竜は飛ぶ。どんなことが起こっても必ず季節は巡る。それはせめてもの慰めか、それとも。


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