- ナノ -


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 長い冬の眠りから覚め、新たな春を迎える龍と、いつもこのあたりの森で語らっていた。しかし今、龍の姿はない。まだ眠っているのか。それとも、ねぐらを他に移したのか。
 龍の好きなきのみや果物を抱えた竜に、冬の名残の冷風が吹き付ける。竜は空を仰いだ。雲ひとつなく、青は広がっていた。


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