その話を聞くように
2021/10/24 22:00
はじめは、ううむと考えていたかもしれません。
でもだんだん、変わってきました。
そっと耳を澄ませるように。その話を聞くように。
ツイッターで書いているおはなし、『竜の話』も、いつのまにか140話となりました。
まさかこれほどに続いていくとは思っていなくて、私自身、少々びっくりしています。
さらに驚くことに、これからもまだまだ、うんと書いていけそうな感じなんです。
自分のなかでは、実は話数に関したちょっとした目標もいくつかありまして、
そこに到達できるといいなと日々思っているところです。
どうしてこれほどにも、書きたいと思うおはなしがあふれてくるんだろう。
そう考えたときに、ふと思うんです。
『竜の話』は、書こう、だから話を考えよう、と思って書いているというよりは、
竜や、竜にまつわるひとや生きものたちに話を聞いている感覚に近いなあと。
ほんとに自分でもふしぎなことです。でも、静かに耳を傾ける感じなんです。
どんなことがあったの。
私からの問いは、それだけです。
あとは、竜たちに任せます。そうしたら教えてくれます。
あるときは、うれしそうに早口に。
あるときは、懐かしむようにゆっくりと。
あるときは、思いを馳せるようにかなしげに。
彼らの声はちいさな、ほんとうにちいさなことが多いです。
だから私は、すくい取るようにそうっと書き取ります。
そうしているうちに、おはなしがひとつ、できあがります。
『竜の話』として、ことばになります。
なぜだかはわかりませんが、この感覚はとても大事なものなのではないかという気がしています。
もちろんそんなのはぜんぶ錯覚で、語りかけてくれる誰かなどいないと言われれば頷かざるをえないでしょう。
でも、そうだとしても、大事にしていきたいんです。
ちいさな声でも、聞かせてくれる誰かを感じる限り。
こうして、私は、明日からも書いていくのでしょう。
どんなことがあったの。
どこかにいるかもしれない、彼らに向かって。
そっと、耳を澄ますように。その話を、聞くように。
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