- ナノ -



それは急にきた
2021/09/26 22:10

あったんです。
それは数年前、仕事場でも。
鍵はまわって、きちんと開錠できるのに、鍵穴から鍵が抜けてくれない。
うんうんと引っ張ってみてもだめ。
抜けてねー、いいこだからねーとやさしくひねってみてもだめ。
結局、5分か10分か厳しい戦いを繰り広げて自席に戻っていました。

そんな戦いの日々から時が経ち、すっかり忘れていたんです。
ごうじょうっぱりの鍵がどれだけ手ごわいものなのかを……!

私は自宅の前で立ち尽くしていました。
開かない。
どうしても開かない。
しかも、鍵が抜けないだけじゃない。
鍵がまわりすらしない。
なんということだ。
昨日までは、いや、今日出かける前までは、
少しまわりにくいかな? というくらいでなんともなかったというのに。
夏の盛りも過ぎて、風もまた涼し。
がしかし、冷やあせなのか鍵との格闘ゆえのあせなのか、
もはやわかりもしないあせまみれの私。
手には重い買い物袋。
背にはものの詰まったリュック。
立っているだけでもじわじわと体力が削られていきます。
このまま家のなかにも入れずに夜を迎えるのか……!
苦しい想像が脳裏をよぎります。
こんなときに限って切れているものといえば、スマートフォンの充電。
しかしああなんたる天の恵み。まだスマホは使えました。
なんとか、鍵が急に開かなくなったときの対処法を見つけ出し、
ゆっくり上下にひねりながらまわすなどして、事なきを得ました。
ほんとうによかった。

その後、鍵穴の方に細かなごみがたまっていたり、油さしが必要だったり、
鍵にもいろんなメンテナンスが必要であることをしっかりと自覚しました。
とりあえず今回は、鍵の方のお手入れでだけで扉はすっと開くようになりました。
たしかに、うすうす気になってはいたのですが……
鍵になんとなく、汚れが付着しているような……と。
でもまさか、突然こんなことになるとは思ってもみなかったので、
ほんとにびっくりしてしまいました。
気づいているなら少しは気をつかってよね、と、
鍵さんからきついお灸をすえられてしまったようです。

どうしても鍵が開かないとなると、業者さんを呼んで鍵開けしてもらったり、
鍵の交換が必要になったりしてしまう場合ももちろん、あるそうです。
調べてみてわかったのですが、けっこう、その、いいお値段なんですね……。
みなさんもよければ、たまに、そう、たまーにでいいので、
普段お使いの鍵さんたちをいたわってあげてください。
きっと鍵さんたちも、鍵穴さんたちも喜ぶはずです……。

ちなみに、仕事場の扉の鍵の方は、
他の理由があり鍵穴ごと変えられていきました。
元気かなあ……。





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