てんてんのはなし
2021/09/12 22:04
突然ですが、イメージしてみてください。
しーんとした空間。あるいは、口ごもるときの感じ。
それを文で書き起こそうとするときの、「点」を。
あの点、何個書きますか?
ちっちゃなころの私もいまと同じく、書くことが好きでした。
そのころの私は、まさに縦横無尽。
書きたいと己の魂が欲するままに点を打っていました。
少々の静けさくらいなら数個。
逆に、ものすごい沈黙が落ちていそうなときには、
もはや自分でもいくつ点を打ったかわからないほどに。
全部手書きしていたので、なおさらフリーダムです。
そんな私でしたが、あるとき、ひょんなことから知ったのです。
あの「点」の数。それには一応の決まりごとがあるということを。
それを知ったときの衝撃はけっこうずしんときました。
まず、1回につき使う数が決まっているということにびっくり。
6つだそうです。
点は、6つ打つことになっているのです。
では次に、原稿用紙を想像してみてください。
夏休みに読書感想文をひねり出した苦しい思い出がよみがえってきますね
(読書感想文を書くのが好きだというかたがいらっしゃったらすみません)。
と、それはともかく。
点をその原稿用紙上に6つ打つとき、みなさんならどんなふうに打ちますか?
これも実は決まりがあるそうで、1マスに点を3つ入れるのです。
ですので、2マスを使って点を6つ打つことになります。
マスのないパソコン上ではどうなっているかというと。
みなさんにもおなじみかもしれません。
点が3つつながった、その名も「3点リーダー」があります。
これを2つ使って6つの点にするというのが正式な使い方なのだそうです。
「いやあ知らなかったなあ・・・・・・」(中点6つ)
ではなく、
「いやあ知らなかったなあ……」(3点リーダー2つ)
という具合ですね。
この点々、もともと日本にはなかった表現で、海外の書物とともに輸入されてきたもののようです。
そういう意味では、感嘆符(!)や疑問符(?)と似ているところがあるかもしれませんね。
そして、正しい使い方がわかってためになったな……と思った当時の私は、
まだ知りませんでした。
そう、誰かが表現している分には気にならないのに、
自分で文章を書くとき、ことごとく点の数と使い方が気になってしまうヤマイにかかってしまったことを!!
そんなわけで、使い方は身につきましたが、
点々を使うときに無性に気にかけてしまう日々を送っている私でした。
ちなみに、ダッシュ(―)についても2マス使うのが正式だそうです。
しかし表現方法とは、いろいろあってこそのもの。
私は思うのです。感性に任せて点の数を調節していたあのころの自分も、
けっしてまちがってはいなかったのではないだろうか……と。
どうも、お読みくださりありがとうございました。
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